会社員からフリーランスになる前に貯金はいくら必要?独立経験者が実体験から解説

キャッシュフロー

「フリーランスになりたいけど、貯金はいくらあればいいんだろう?」

独立を考えたとき、かなり気になるポイントですよね。

100万円?

300万円?

500万円?

「最低でも1年分の生活費が必要」と書いてある記事もあります。

でも、実際のところはどうなのでしょうか。

私は会社員からフリーランスになるとき、500万円以上の貯金を用意していました。

ただ、今振り返ると、

「500万円貯めたから独立できた」

というより、

「仕事がほぼ決まっていて、入金までの期間も分かっていたから、500万円あればかなり余裕を持って独立できた」

という感覚です。

ここ、結構重要です。

同じ500万円でも、

案件が決まっていない500万円

と、

案件がほぼ決まっている500万円

では、安心感が全然違います。

この記事では、実際に会社員からフリーランスになった経験をもとに、

  • フリーランスになる前の貯金はいくら必要なのか
  • 独身ならいくら必要なのか
  • 子どもがいる場合はいくら必要なのか
  • 案件が決まっている場合はどう考えるのか
  • 独立後に想定外だったお金
  • 独立前に確認しておきたいポイント

について解説します。


フリーランスになる前に貯金はいくら必要?

まず、結論から。

私なら目安として、

独身なら200万円程度

子どもがいるなら500万円以上

を一つの基準にします。

ただし、これは「絶対にこの金額が必要」という意味ではありません。

むしろ重要なのは、

貯金額+独立後の収入の見込み

です。

例えば、

ケース①

貯金500万円。

でも案件がまったく決まっていない。

ケース②

貯金200万円。

でも独立前から案件がほぼ決まっていて、翌月から仕事を開始できる。

この2つなら、私はケース②のほうが安心できると思います。

もちろん家族構成や生活費によって変わります。

ですが、

「貯金○万円あれば独立できる」だけで考えるのは少し危険です。


独身なら200万円が一つの目安

独身の場合、私ならまず200万円程度を一つの目安にします。

例えば毎月の生活費が20万円なら、

200万円 ÷ 20万円

で、単純計算では10か月分です。

もちろん、実際には税金や社会保険、仕事に必要な費用などもあります。

それでも、案件が決まっていない状態で独立するのでなければ、200万円程度の現金があれば、かなり精神的な余裕が出てくると思います。

逆に、

「貯金50万円しかないけど、来月から仕事が始まるから大丈夫」

というケースもあります。

だからこそ、

貯金額だけではなく、独立後のキャッシュフローを見る

ことが重要です。


子どもがいるなら500万円以上を目安にしたい

子どもがいる場合は、私はもう少し余裕を持たせます。

500万円以上。

これくらいは確保しておきたいです。

理由は単純。

自分一人なら、

「仕事がなくなったら生活を少し切り詰めよう」

という判断もできます。

でも、子どもがいるとそう簡単にはいきません。

食費、住居費、教育費、保険、その他の生活費。

自分だけの都合で削れない支出があります。

さらに、フリーランスは会社員と違って、毎月必ず給与が振り込まれるわけではありません。

案件が終了することもあります。

次の案件がすぐ決まらないこともあります。

だから私は、

家族がいるなら「独立できる最低ライン」ではなく、「仕事がなくなっても慌てなくて済むライン」を考えたほうがいい

と思っています。


「貯金○万円」だけで独立できるか判断するのは危険

ここからが、今回の記事で一番伝えたいところです。

フリーランスになる前に、

「貯金500万円ある!」

だけで安心するのは少し危険です。

見るべきなのは、次の4つです。

  • 貯金
  • 案件の確度
  • 最初の入金までの期間
  • 毎月の生活費

この4つです。


独立前に案件が決まっているか

これはかなり大きいです。

私の場合、いきなり会社を辞めたわけではありません。

退職を宣言する前に、知り合いから話を聞いて、

「実際にフリーランスになったら仕事をもらえそうか」

という温度感を確認していました。

そして、独立する頃には案件がほぼ決まっている状態。

これがかなり大きかったです。

もし、

「会社を辞めました!」

↓

「さて、仕事を探そう」

だったら、もっと多くの貯金が必要だったと思います。

仕事が決まるまでの期間が読めないからです。


「仕事が決まっている」はかなり大きい

例えば、

案件なし

貯金500万円
↓
仕事を探す
↓
いつ決まるかわからない

この状態だと、500万円がどんどん減っていく可能性があります。

一方で、

案件ほぼ確定

貯金200万円
↓
翌月から仕事開始
↓
1~2か月後に入金

なら、必要な生活防衛資金はかなり変わります。

もちろん案件が突然なくなるリスクはあります。

ただ、

「これから仕事を探す人」と「仕事がほぼ決まっている人」では、独立時に必要な現金は同じではありません。


独立後、最初の売上が入るまでのお金も必要

もう一つ忘れがちなのが、

入金サイト

です。

「4月から仕事を始めた!」

だからといって、4月にその報酬が振り込まれるとは限りません。

例えば、

4月に仕事開始
↓
4月分を請求
↓
4月末締め
↓
5月末入金

という契約なら、実際にお金が入ってくるまで約1か月あります。

つまり、

仕事が決まっていても、入金されるまでは自分の貯金で生活する必要があります。

ここは独立前に必ず確認しておきたいところです。


私の場合は「最初の入金まで約1か月」だった

私の場合、売上は翌月末締めだったので、最初の売上が入ってくるまで約1か月。

ただ、独立前から案件がほぼ決まっていたので、

「仕事が決まらないかもしれない」

という不安はそこまでありませんでした。

この差はかなり大きいです。

だから独立前には、

「案件があるか?」だけではなく、「最初のお金がいつ振り込まれるか?」

まで確認しておくことをおすすめします。


有給休暇も独立資金として考えていい

これも意外と重要です。

私の場合、退職前に2か月程度の有給休暇がありました。

そのため、退職を決めてから実際に会社を離れるまでにも余裕がありました。

この期間に、

  • 案件の確認
  • 契約
  • 独立準備
  • 必要な手続き
  • 今後の仕事の調整

などを進めることができます。

つまり、

退職を決めた日=いきなり無収入

ではありません。

会社員のうちに残っている有給や、退職日までの給与なども含めて考えると、独立時のキャッシュフローはかなり変わります。


独立すると想定外のお金が出ていく

ここも忘れてはいけません。

フリーランスになると、

「売上が入ってくる」

ことばかり考えてしまいがちです。

でも、その後には税金や社会保険の支払いがあります。

例えば、

  • 所得税
  • 住民税
  • 国民健康保険
  • 国民年金
  • 個人事業税
  • その他の事業関連費用

などです。

国民年金は2026年度の場合、毎月17,920円。年間では約21.5万円になります。前納による割引制度もあります。

また、青色申告を利用する場合、一定の要件を満たせば最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。

こうした制度を知らないまま独立すると、

「思ったよりお金が残らない」

ということになりがちです。


私が独立して「想定外だった」と感じたのは予定納税

私の場合、独立後に一番「これは知らなかった」と感じたのが、

予定納税

でした。

所得税や住民税などがかかること自体は、なんとなく分かっていました。

でも、

「前年の所得税額などをもとに、翌年分の所得税の一部を前もって払う制度がある」

というところまでは、独立前にはしっかり理解していませんでした。

予定納税は、前年分の所得税等を基に計算した「予定納税基準額」が15万円以上になる場合、その年の所得税・復興特別所得税の一部を前もって納める制度です。

これが怖いのは、

「今年の税金を払っていると思ったら、来年の税金まで先に払う」

ような感覚になること。

もちろん、最終的な所得税額との精算はあります。

でも、キャッシュフローだけを見ると、一時的に大きなお金が出ていきます。

ここは独立前に知っておきたかったポイントでした。

税金については、こちらの記事でも詳しくまとめています。

関連記事:フリーランスの税金はいつ払う?年間スケジュール【所得税・住民税・予定納税】


独立前に500万円貯めれば安心なのか?

ここまで読んで、

「じゃあ500万円あれば安心なんだな」

と思うかもしれません。

でも、そう単純ではありません。

例えば、

貯金500万円・生活費40万円・案件なし

なら、

500万円 ÷ 40万円 = 約12.5か月

です。

ここから税金や社会保険なども考えると、実際にはもっと早く減っていく可能性があります。

一方、

貯金300万円・生活費25万円・案件ほぼ確定

なら、かなり状況は違います。

だから私が今、独立前の自分にアドバイスするとしたら、

「貯金○万円を目指す」だけではなく、
「仕事がなくても何か月生活できるか」まで計算しておけ。

と言います。


独立前の貯金はいくら?ケース別の目安

ここまでの話を整理すると、私はこんなイメージです。

状況独立前の貯金目安
独身・案件ほぼ確定200万円前後
独身・案件未定300~500万円
家族あり・案件ほぼ確定300~500万円以上
子どもあり・案件ほぼ確定500万円以上
子どもあり・案件未定500万円以上+さらに余裕を持つ

ただし、これはあくまで私自身の経験をもとにした目安です。

毎月の生活費が20万円の人と50万円の人では、必要な貯金額が同じになるはずがありません。

また、住宅ローンや教育費などの固定費が大きければ、必要な生活防衛資金も増えます。


独立前に確認しておきたい5つのこと

「貯金はいくら必要?」と考える前に、次の5つを確認してみてください。

① 案件は決まっているか

独立後すぐに仕事が始まるのか。

それとも、独立してから仕事を探すのか。

これは必要な貯金額にかなり影響します。


② 最初の入金はいつか

案件が決まっていても、お金がすぐ入るとは限りません。

「月末締め翌月末払い」なのか、

「月末締め翌々月払い」なのか。

この違いだけでも必要な現金は変わります。


③ 毎月の生活費はいくらか

まず、

自分が1か月生活するのにいくら必要なのか

を把握しましょう。

家賃、食費、光熱費、通信費、保険、教育費など。

ここが分からないと、必要な貯金額も計算できません。


④ 税金・社会保険のお金を確保しているか

売上が入ったからといって、全部使ってはいけません。

後から、

  • 所得税
  • 住民税
  • 国民健康保険
  • 国民年金
  • 予定納税

などの支払いがやってきます。

特に税金は、会社員時代のように毎月すべてが自動的に天引きされるわけではありません。

「今口座にあるお金=全部使えるお金」ではない

と考えておくのがおすすめです。


⑤ 仕事がなくなったら何か月生活できるか

これが一番重要かもしれません。

例えば、

「今の案件が終了したら、次の案件が決まるまで6か月生活できるか?」

と考えてみる。

この質問に「はい」と答えられるくらいの現金があれば、かなり安心感があります。


貯金だけでなく「運用資産」も考える

私は、子どもがいる場合なら、

500万円以上の現金+100万円以上の運用資産

くらいを一つのイメージとして考えます。

ただし、ここは注意してください。

「100万円投資しているから、現金400万円でも500万円あるのと同じ」

とは考えません。

株式などの投資資産は、必要なタイミングで値下がりしている可能性があります。

そのため、

近いうちに使う可能性があるお金は現金で確保する。

長期間使う予定のない余裕資金について、資産運用を考える。

この順番が基本です。

特にフリーランスになった直後は、収入が安定している会社員時代よりも、手元資金の重要性は高いと思います。


私が会社員からフリーランスになる前にやったこと

ここでは、実際に私が独立したときの話です。

私の場合、独立時の貯金は500万円以上ありました。

でも、単純に500万円貯めたから会社を辞めたわけではありません。

まず、知り合いに話を聞いた

退職を宣言する前に、知り合いからフリーランスとして仕事を受けられそうか、実際の温度感を確認しました。

「独立したら仕事はあるのか?」

ここを確認せずに会社を辞めるのは、さすがに怖かった。

そして、案件をほぼ決めた

独立する頃には、案件はほぼ決まっていました。

つまり、

「会社を辞めてから仕事を探す」

ではなく、

「仕事が取れることを確認してから会社を辞める」

という順番です。

有給も約2か月あった

さらに、退職前には約2か月の有給がありました。

そのため、退職までの期間にも余裕がありました。

最初の入金までは約1か月

案件開始後、売上は翌月末締めだったため、最初の入金までは約1か月。

こうして考えると、

「500万円の貯金があった」

だけではなく、

「案件・有給・入金サイトまで含めて、独立直後のキャッシュフローをかなり余裕を持って作れていた」

ということになります。

今振り返ると、ここがかなり大きかったと思います。


独立するなら「貯金」ではなく「キャッシュフロー」で考えよう

ここまで読んでいただいた方に、一番伝えたいのはこれです。

フリーランスになる前に必要なのは、単純な貯金額ではありません。

考えるべきなのは、

独立する
↓
仕事を始める
↓
最初の売上が発生する
↓
最初の入金がある
↓
税金・社会保険を払う
↓
次の案件が決まる

ここまでのキャッシュフローです。

例えば、

独身・案件ほぼ確定

なら、私なら200万円程度を一つの目安にします。

一方、

子どもがいる

なら、500万円以上を目安にしたい。

さらに、100万円以上の余裕資金を長期運用できる状態なら、より安心感があります。

ただし、これはあくまで私自身の考えです。

あなたの生活費や家族構成、案件の確度によって必要な金額は変わります。


まとめ|フリーランスになる前に貯めるべき金額は「人によって違う」

「フリーランスになるなら貯金500万円必要」

というわけではありません。

私自身は500万円以上貯めてから独立しました。

でも、それ以上に大きかったのが、

独立前に案件の温度感を確認して、ほぼ仕事が決まった状態で会社を辞めたこと。

さらに、

  • 有給が約2か月あった
  • 最初の入金まで約1か月だった
  • 独立後の生活費を把握していた

という条件もありました。

そのため、かなり余裕を持って独立できました。

私なら目安として、

独身なら200万円程度。

子どもがいるなら500万円以上。

そして、余裕があれば長期運用できる資産も別に持っておく。

ただし、

「貯金○万円あれば独立OK」ではなく、「仕事がなくても何か月生活できるか」で考える。

これが一番大切だと思います。

フリーランスになった後に怖いのは、仕事がないことだけではありません。

仕事はある。売上もある。

それなのに、

「税金を払ったら口座のお金がほとんどなくなった……」

ということもあります。

私自身、独立後に予定納税という存在を知り、税金の支払いに驚かされました。

独立前には、ぜひ**「いくら貯めればいいか」だけではなく、「独立後にいつ、いくらお金が出ていくのか」まで計算しておいてください。**

それだけでも、独立後のお金に対する不安はかなり減らせるはずです。

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